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濁流のような日々の中で

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『The Last of Us』レビュー 

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全世界待望のNaughty Dog完全新作、遂に登場。

今回の記事は、PS3専用ソフト『The Last of Us』のレビュー記事となります。




■ストーリー
舞台はアメリカ。
謎の寄生菌によって人類は絶滅の危機に瀕していた。

寄生菌の爆発的な感染により人口は激減し、都市は荒廃した。
二十年もの間打ち捨てられていた都市は少しずつ植物に覆われはじめている。

隔離された街から一歩外に出ると、
いたるところで寄生菌に侵された“インフェクテッド(感染者)”たちが蠢(うごめ)いている。
彼らの形状は感染の進行度合いによって異なるが、
心と体を寄生菌に奪われた彼らの目的はただ一つ、
生存者を攻撃して感染を広げることだけだ。

インフェクテッド(感染者)と生存者。
この世界で生きること。
それはこの2つの脅威と常に戦うことを意味している。

この世界ではインフェクテッド(感染者)だけでなく、他の生存者たちにも注意が必要だ。
彼らの中には他人を脅かし攻撃することで資源を得ようとしている輩もいる。
自らの身を守り生き延びるには、彼らと戦い、時には彼らの物資を自らのために利用しなければいけない。

闇市場での取引を生業とするジョエルは、
武器を巡るトラブルからエリーという14歳の少女をある場所へ連れて行く仕事を引き受けることになる。
その出会いは、ジョエルとエリーの運命を変える長い旅路につながっていた。

パンデミック後の荒廃したアメリカを旅していく過程で、
二人はインフェクテッド(感染者)の脅威と戦い、そして様々な方法で生き残ってきた他の生存者たちと出会う。
圧倒的な絶望と恐怖の中で少しずつ生まれる二人の絆。
その結末は…。

生きるために愛を捨てた男と
愛を知らない少女の旅がいま、はじまる。



日本語吹き替え版ストーリートレーラー




■レビュー
◯良い点
・現世代機最高峰のグラフィック
・同ジャンルの他作品を圧倒する秀逸なストーリーテリング
・ゲームスコアや銃声、効果音といったサウンド関係全般
・徹底的に作り込まれた世界観
・人間味溢れる魅力的な登場人物達
・映画的演出とゲーム的演出が巧みに融合されたゲームデザイン
・称賛に値するボイスアクト(英語音声/日本語吹き替えの両方)
・いい意味で"シビア"なゲームバランス
・シンプルかつ分かり易いUIデザイン
・敵のデザイン等のアートワーク全般

◯悪い点
・ゴア表現の大幅な規制(日本語版)
・没個性的な戦闘システム
・強制戦闘イベントの総数
・完成度の低いAI
・グラフィックにおける諸問題(フレームレートの低下等)
・敷居の高すぎるマルチプレイモード




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長年放置され、草木が生い茂っている大都市

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人気の感じられない朽ち果てた地方都市を歩く2人

●サバイバルアクションの金字塔となり得るか?
本作『The Last of Us』は、そのグラフィックさえ除けば既存のゲームで見たことのあるシステムや要素で構成されており、ゲーム部分における新鮮さは正直全くと言っていい程に感じられません。愛を捨てた男と愛を知らない少女が共に行動していく内に、お互いがお互いを助け合って人間性を回復していくというテーマもまた、悪く言えば"陳腐"の一言。しかしながら、そうした在り来りな要素の1つ1つが、職人技という例えが相応しいNaughty Dogの卓越した手腕によって磨き上げられ、ゲーム内で上手いこと機能するように巧みに組み合わされた結果として、本作は他に類を見ないエモーショナルなゲーム体験の出来る秀作サバイバルアクションに仕上がっており、全世界のファンの期待に対し、その尋常ならざる完成度の高さを以って見事なまでに応えきっています。

荒廃したポストアポカリプスな世界観を描いたという点に関しては『Fallout』シリーズや『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズと共通する部分がありますが、それらのシリーズがオープンワールドゲームである一方で本作はストーリー主導型の一本道のゲームとなっている為、広大な世界を自由気ままに探索したいと考えている方の需要には応えられていません。しかしながら、一本道であるが故の強み(マップを細部に至るまで作り込めることや、映画的演出を用いることが出来ること等)を最大限に活かす術を熟知している職人集団(Naughty Dog)の素晴らしい仕事っぷりによって、一本道であることが全くマイナス要素に感じられない程にシングルプレイの完成度が高いものとなっているので、一本道だからといって本作を敬遠するのは非常に勿体無いことであると強く断言します。




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主人公であるジョエルと、物語のキーパーソンとなる少女エリー

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エリーの構えた銃口の先には・・・

●過酷な世界を生きる"普通の人達"のお話
本作で特筆すべきは、何よりもまずそのストーリーですね。ここ最近のブロックバスター級タイトルの大半が、ストーリー面において何かしらの問題点(無駄に壮大過ぎるストーリー展開や全く感情移入できない登場人物等)を抱えている現状など何処吹く風で、本作のストーリーは過酷な世界における倫理観や時間の経過と共に変化していく登場人物の心情や人間関係・・・といった諸々のテーマを丁寧かつ見事なまでに描ききっています。また、他の大作にありがちな『世界を救う』といったような大義には焦点を当てずに、過酷な世界における"普通の人達の等身大の日常"を描くことに焦点を当てているだけあって、ストーリー展開が地に足の着いたものとなっている点も評価されるべきポイントの1つですね。このお陰で、ジョエルとエリーの旅路にかつて経験したことの無いぐらいどっぷりと感情移入することができました。これ程までに人物描写に力を注いでいるAAA級の大作をプレイしたのはかなり久々です。

中盤で多少中弛みしてしまってはいるものの、物語のペース配分もまた先述したストーリー展開と同様に非常に優れたものとなっています。プロローグで感染爆発の始まった【20年前の世界】を描き、洋画『ドーン・オブ・ザ・デッド』を彷彿とさせるニュース報道風の演出がなされたOP映像でプレイヤーを一気に作品世界へと没入させた後、終盤に至るまでの長い間に渡って過酷かつ理不尽な人の悪意と狂気が渦巻く【20年後の世界】をひたすらに描き続けることにより、プレイヤーの感情を作中の登場人物のソレに限りなく近い、半ば疲弊感めいたものへと変化させていきます。そして終盤に入り、怒涛の展開の数々によってプレイヤーの登場人物に対する感情移入の度合いを限界まで高めた所で、様々なことをプレイヤーに感じさせる内容のエンディングに突入するーーと。

このペース配分の絶妙さ加減が実に素晴らしいことこの上なかったです。1度読み込んでしまえばプレイ中にロードが一切無い(ムービーシーン中にバックグラウンドで読み込んでいる?)という仕様も相まって、クリアした時には1本の良作映画を見終えた時のような充実した気分になりました。エンディングは微妙に賛否両論分かれそうな内容ではありましたが、管理人的には良いエンディングであったと思います。この2人の長い旅路の結末として、これ以上に相応しい締め括り方は無いのではないでしょうか。




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"聞き耳"を駆使し、敵の数・動きを正確に読み取れるか否かが生死を分かちます。

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敵の集団に察知されてしまうと、瞬く間に窮地に陥ることに・・・

●没個性的な戦闘システムと過剰過ぎる表現規制
特定の敵に捕まったら即ゲームオーバーとなったり、弾薬や工作用の材料(工具の強化や回復薬や火炎瓶、お手製爆弾といった消耗品を工作する際に必要となります)のリソース管理が求められるといった、いい意味でシビアなゲームバランスはゲームプレイに適度な緊張感をもたせていて良いと思いますし、ステルス行動がメインとなっている戦闘システムについても"聞き耳"という本作独自のゲームシステムが取り入れられてはいるのですが、結局最後まで『他作品の戦闘システムの寄せ集め』という印象が拭えませんでした。聞き耳と同じぐらい"本作ならでは"のアクセントが効いたゲームシステムがあと1つか2つは欲しかった所ですね。

本作には小さな問題点こそあれど特にこれといって大きな問題点は無いのですが、日本語版に関して言えば1つ大きな問題があります。それは『過剰なまでのゴア表現の規制』ですね。人に関しては言わずもがなですが、何故か感染者の方も欠損表現が一部規制されてしまっています。加えて、この規制がゲーム内の描写を不自然なものにしてしまっているんですよね・・・。一例を挙げると、海外版だと感染者を壁に叩きつけてキルした際に頭部が破砕するのですが、日本語版では破砕表現(砕ける表現も音も削除)が無くなっているのにも関わらず、頭部の当たり判定が海外版と同じ(頭部が破砕した時の当たり判定)のままで一切変更されていないので、主人公の腕が頭をすり抜けるという、不自然感を際立たせるだけの実に雑な規制っぷりを披露してくれています。

こうした規制はゲーム部分だけではなくムービーシーンや台詞回しにまで及び、とある場面では登場する"肉"の形が変えられてしまっているが為に、その肉が"何の肉"であるのかを視覚的に理解することが出来なくなっていたり、台詞回しが元々の台詞(英語)と比べると随分マイルドな訳にされていたりと、Z指定の意味について考えさせられる規制の多さに辟易とさせられます。百歩・・・いえ、一万歩譲って規制は仕方がないことであると認めるとしても、そうした規制の事実を一切告知すること無く発売に漕ぎ着けたSCEJはお世辞にも褒められたものではありません。今時、サードパーティですら発売前に規制の有無を告知しているというのに、ファーストパーティであるSCEJがこの対応とは・・・規制の有無をワザと告知しないことで、海外版へユーザーが流出するのを阻止しようとしたのでは?と勘繰ってしまいますね。規制に関する今回のSCEJの対応は、ただただ『酷い』の一言に尽きます。




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2人の旅の果てに待ち受けるものとは・・・?

<<総括>>
総合的に見てクオリティが非常に高い作品ではあるものの、一本道なゲーム内容に加えて終始陰鬱とした雰囲気が漂っているストーリーと映画的演出の多用といった要素がある為に、本作はかなり人を選ぶきらいがありますね。ゲーム自体の難易度もシビアすぎるという訳ではないものの、敷居が低く取っ付きやすいという訳でもないので、結果としてそうした傾向を一層強める方向に作用してしまっています。また、本作に何を求めるかによって本作に対する評価も変わってくるかと思いますが、もし貴方が『METRO』シリーズのようなゲームを求めているのならば、本作のことを間違いなく"当たり"と感じるでしょう。しかしながら、当記事の冒頭で指摘したように『Fallout』や『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズのようなゲームを求めているのであれば、『State of Decay』といったような他の作品をプレイされた方が賢明です。本作はあくまでストーリー主導型のゲームであって、自由度の高さに重きを置いたゲームでは決してありません。これらの点を踏まえた上でなお本作に対する興味が薄れないというのであれば、ネット上のネタバレを見る前に購入してプレイするべきでしょう。10~15時間程の、過酷ながらも心躍る充実したゲーム体験が貴方を待ち受けています。


総評:90点


The Last of Us (輸入版:北米)The Last of Us (輸入版:北米)
(2013/06/14)
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The Last of Us (ラスト・オブ・アス)The Last of Us (ラスト・オブ・アス)
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